LINE管理「不備」と財界の不思議

 8600万人が利用するLINE問題。個人情報の扱いは、国民の考えと財界・企業の考えは大きく違っているようだ。個人情報はどうなるのか。【デジタル(5)】

LINEは、システム開発を委託した中国企業に国内のサーバーアクセス権を与えていた。また、利用者規約は、データを第三国に移転するとしながら国名を明記していなかった。解決策として、中国は国家の要請があれば企業は情報提供を拒否できない国であり、中国から国内サーバーにある個人情報へのアクセスを完全遮断する。データ移転先の韓国名は明記し、韓国保管のデータは国内に移転するとした。

LINEの社長は記者会見(3月22日)で、情報管理で信頼を裏切ることになったと謝罪し、情報の漏えいはないとした。そのうえで、「利用者の感覚でおかしい、気持ちが悪いというセンスや配慮ができていなかった」と言い、「(中国政府の)情報収集の感度の不足」を上げ、タイミングを逸したと言う。なんともおかしな会見である。個人情報を真っ先に守る、保護するという感覚がなかったのか。

 同じ日、日本経団連の定例記者会見で会長は、「インターネット上でのデータ流通には国境はないが、そこにあえて国境を設けようと試みている国がある。そうした国々は、データの国内保存義務のソースコードの開示義務等を企業に課すことで自国内にデータを囲い込もうとしている。こうしたデータ保守主義的な政策がとられ、実務的課題もでてきている中で、デジタル化のメリットをいかに生みだしていくといった前向きの議論を一層深めていく必要がある」と述べた。

 この会長発言は日本経団連の方針である。経団連から見ればLINE社長の反省は必要だったのか、とも言いたいのだろうか。記者団から、LINE利用者の個人情報管理について問われると、やはり、「事実関係の調査が進められている段階であり、現時点ではコメントを差し控えたい」と、歯切れ悪い返答が聞かれた。

 財界にとっては国際的に自由なデータの流通を図りたいのが本音である。財界・企業にとって国民の個人情報の保護というのは、むしろ好ましくないくらいのもののようにさえ聞こえてくる。そんなことを考えると、LINEの個人情報管理問題は「不備」ではなく「合点した不備」であるとさえ思えてくる。デジタル化関連法案が衆院で可決したが、前のめりになるのではなく立ち止まって考えなくてはならない。

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この記事へのコメント

2021年04月12日 12:57
LINEに限らず、インターネットは海外とつながっていて、国外サーバーを経由する技術。
日本国内のインフラにするなら、日本国内の限定ネットワークを作る必要が。
LINEを公共インフラだと思うことがそもそも無理が。
例えば、銀行のATMが銀行間の閉じたネットワークでなければ、暗証番号を入力したくない。