「桜散る 残る桜も 散る桜」に思う

 これは良寛の辞世の句として伝えられる。寂しくもみんな散ってしまう、とも思えるが、それは違う。「散っては、また翌年咲いてくるという大きな流れが脈々とある。生命は散っても散っても、また咲いてくる。そうした自然の計らい、働きの中に、自分も入っていく。だからみんな寂しがらなくてもいい」と、一つの大きな命をあらわしていると、フランス文学者の栗田勇は言う。

 私もその意味にとらえて好きな「句」である。「人間は自然の一部である」はマルクスの言葉。人間は自然において生まれ、自然に依存しなければならない。人間は自然に働きかけて道具をつくる動物ともマルクスは言う。サルから人への進化の過程は、まさに自然とともに、道具を使い労働を介して知能を発達させ進化してきた。人間は大自然の中に戻っていくという良寛の句の心とつながるものがある。

 「もしもお前が人間と自然を存在しないものと考えるならば、どうしたって自然と人間であるところのお前自身を存在しないものと考えるがよい」ともマルクスは言う。自然と人間の関係を同一性として考えなくてはならない。地球温暖化も、気候の崩壊から人間を救えるのかという問題である。「人間は自然の一部である」として対策を急がなくては死して「自然の計らい」に戻ることもできなくなる。

 桜の咲くころ、北から南へ鈍行列車で数百キロ、数時間の列車の旅を楽しんだことがある。車窓から所々に見えた咲き始めた桜は、だんだん咲き誇る姿にかわっていく。車窓に釘付けとなった私はただただ見とれていた。今度は、桜前線を追いかけるように南から北へ旅をしたいものであるが、このコロナ禍で適わない。

 桜の花は、開花すると強風が吹いても散ることがない強さをもっている。梅のように「一輪で咲く」暖かさではなく、みんなでいっしょに咲く。一本の木が、そして並木となっていっせいに咲く華やかさもある。やがて花吹雪となっても、来年を楽しみにしようと約束し合える暖かさを感じる、そんな桜である。

 75歳以上の医療費窓口負担2倍化、国保料や介護保険料の負担増、消費税10%など・・・。年を重ねるごとに苦しみを背負わせる自公政権の政治であると、しみじみ思う。いやいや今日は、すべてを忘れて一時の桜を楽しもう。「桜散る 残る桜も 散る桜」

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