菅「デジタル化」とマイナンバーの不安

 菅政権が「デジタル化」政策を推進するもと、お得感や利便性を押し出すマイナンバー宣伝が強まっている。改めて、マイナンバー法を読むと、漠然とした不安は確信になった。【デジタル(3)】

 マイナンバー法「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(2016年)第1条は、行政運営の効率化、公正な給付と負担、手続きの簡素化など利便性の確保。第3条の基本理念は、社会保障制度、税制、災害対策に活用できるとし、「分散管理方式」を採用している。マイナンバーは、社会保障と税、災害対策のためと受け取れる。

 ところが、附則第6条は、個人番号の利用及び情報提供ネットワークを使用した特定個人情報の提供の範囲を拡大することとし、「民間における活用を視野に入れ」ることまで明記している。マイナンバーの利用は、民間を含めて拡大することが、この法律の最大の狙いなのである。そうか、ここで菅「デジタル化」がつながった。

 憲法第13条は、国民の権利は公共の福祉に反しない限り立法、国政上の最大限の尊重を必要とする。プライバシーの権利は人権そのものにかかわるもので、13条はその根拠となる。だから政府は、システム技術上または法制度上不備がないか第5章で「個人情報保護委員会」を設置した。しかしこの委員会が、どのように機能しているかが決定的であるが、国民の前にその論議があらわれてこない。

 第9章で罰則を定めている。犯罪者は、4年以下の懲役、2百万円以下の罰金などである。だが、一度流出したプライバシーは戻らない、回復はできない。また、犯罪者への罰則はあっても被害者救済の制度はみあたらない。幸いにも現在までマイナンバー被害は聞かないが、今でもマイナンバー関係の業務は、4次5次下請けまでもあるというからいつ事故がおきるか不安になる。

 プライバシーにかかわるマイナンバーが、菅「デジタル化」のもとでマイナンバー法附則第6条が生かされビックデーターとして民間が利用することが現実味を持ってきているようだ。国のデジタル化を監視する独立した強力な権限を持つ監督機関が設置されないようでは、国がやっているから「安心・安全」と言えるだろうか。「デジタル社会形成基本法案」の基本理念には個人情報保護の文言はないのだから。

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