マイナンバー“ひも付け”の世界

 「ひも付け」という言葉がはやりだした。マイナンバーと何かをひも付けるのである。しかしながら、マイナンバーのひも付けに潜む重大な問題が隠れている。「デジタル庁」設置と一体ですすむマイナンバーだけに。【デジタル(2)】

 マイナンバーの交付は、2月1日現在で全国平均25.2%。5年目に入るのに5人に1人である。1人5千円を配布する「マイナポイント」を餌にしても効果薄く、考え出したのが運転免許証や健康保険証、個人の預金口座にまでマイナンバーをひも付けるという。これでは信頼は生まれないだろう。データーを管理する国が適切に個人情報を保護するという根本問題が、そこには見えてこないからだ。

昨年の10万円の特別定額給付金のとき、マイナンバーによるオンライン申請を推奨したが、大混乱し受付を中止した自治体があったことは記憶に新しい。新型コロナウイルスのワクチン接種にマイナンバーを使用するという声も聞くが、先の給付金の混乱に何を学んでどう改善したのかは聞こえてこない。新設する「デジタル庁」とセットで、兎にも角にもマイナンバーを普及させようという姿勢である。

マイナンバーは社会保障給付や税関係事務や災害対策のみの使用が認められた個人番号制度ではなかったのか。運転免許証や健康保険証、医師免許や看護師などの国家資格にもひも付けするという。だがしかし、個人の重要情報が、マイナンバーに集まれば攻撃もされやすく情報漏えいリスクも高まることは確かなのである。

 マイナンバーがなぜ普及しないのか。便利さより不安が先立つからだ。つぎつぎデジタル化による個人情報が守られない事故が発生している。プライバシーという基本的人権が失われる不安が消えない。さらに、自治体によっては、個人情報保護条例を制定している。「デジタル庁」ができれば、自治体の個人情報保護条例はどうなるのか、低い方に合わせることになるかも知れない。

政府がマイナンバーの普及に躍起になるのは、なぜか。行政機関や国が最大の個人情報を持っており、それをビックデーターとして自由に活用したい人たちがいるからだが、利用できるのは庶民ではなく一部の大企業だ。だからこそ、個人情報保護が前提であるのに、マイナンバー法もデジタル関連法案にも、個人情報には注意を向けても個人情報を保護する明確な文言が見当たらない。

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