「新しい働き方」の落とし穴

 コロナ禍で「新しい働き方」という宣伝が強められている。あるテレビ番組で、「新しい働き方」は、「自由に時間を活用できるからとてもいい」。副業ができることから「仕事の視野も広がり、新たな意欲も出てくる」などという意味のコメントが聞かれた。そして、もっとも宣伝されているのがテレワークである。これも、育児との弊害なども報道されているが、歓迎するコメントが多い。

 これらは、コロナ対策としての一時避難的なものではないようだ。財界と自民党政権のある魂胆が見え隠れしている。問題点をあげてみよう。1つは、使用者の労働時間管理の責任が解除される。2つは、労働者の安全と雇用環境を守るという労働者保護法が棚上げになる。3つは、「副業」「兼業」を容認すれば、労働契約はどうなるのか、雇用関係ではなく、業務委託契約になるのではないのか。など

 この心配は政府もわかっているようで、副業などを含む労働時間通算制度の方法や、本業と副業の賃金を通算する労災保険の改正を行おうとしている。これで労働環境はよくなるのか。そこも心配されることから、フリーランスの労災保険の加入を認める制度改正や、テレワークのガイドラインの見直しも検討されている。

 テレワークにしても今は、週に何日とか限定しているのが実態である。在宅勤務について正社員へのアンケートでは、およそ9割の人が「しない」と回答したアメリカ連邦労働調査局の調査もある。テレワークは普及するのか、いや仕事の中心にはならないだろう。ほんとうに、仕事をすることになればテレワークでは限界があるということは日本の財界も政府も認識していると思われる。

 結局、すべての職種において、労働時間管理、労働環境、労使の雇用関係に関する合意など、使用者・経営者の「しばり」をゆるめること、もっというなら、自由な労働時間と環境というキャッチフレーズで、労働時間のしばりをなくし、非正規雇用者を限りなく増大し、低賃金構造をつくることではないのか。

 コロナ感染は抑えなくてはならない。それには疫病にたいする科学的・医学的な処置・対策がなされなくてはならない。「ウィズコロナ」だとして観念的な対応では感染を防止できないし、逆に経済的には大きな打撃を呼び込むことになりかねない。コロナ禍を利用し「新しい働き方」だとして便乗的に財界の都合のよい労働条件に改悪させてはならない。

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