GoToトラベル推進と一時中止の『怪』

 菅政権は、突然、年末28日から年明け11日までGoToトラベル中止を打ちだしたため世間はてんやわんやだ。しかしながらあまりにも無為無策な政権のもとで、新型コロナ感染者は先月の2倍、死者も数倍になった。病院も逼迫している。知事会は、根本的な感染抑制策を求めたが、与党内や財界からは声があがらない。

 GoToトラベル一時中止を発表した記者会見で首相は、「GoToトラベルが感染拡大のエビデンス(証拠)はないとの認識か」と問われると、「そこは変わらない」と答えた。「いつの間にかGoToトラベルが悪者にされている」とも述べていた。これは開き直りにも聞こえる。しかしなぜ、感染の科学的な現実を否定したり、専門家の提言をしりぞけたりするのか。もはや人災という現状なのに。

 内閣支持率の急降下が、GoToトラベル一時中止に「転換」した理由、との報道がある。このままでは政権が危険な状態になりかねないという判断が働いたのは確かだろう。ところが記者会見直後、首相らの「会食」が発覚。感染拡大の危機感も、科学的知見も学ぼうとしないお粗末な姿を自ら証明することになった。

 感染拡大抑止のためには、病院経営や医療体制充実の支援とともに、中小企業や商工業者への直接支援、労働者・非正規労働者への賃金支援、ひとり親家庭への支援などを一定期間実施しなければならない。もちろん、PCR検査の徹底・追跡などとともに。これが感染危機対策に成功している国や地域の教訓である。

 菅首相は、これらの政策を実効すれば、自公政治がすすめてきた医療・福祉の予算削減、中小企業に冷たい政策、公的部門の縮小政策などが反転することを恐れる。さらに、新たにイージス艦2隻に5千億円も投じる軍拡政策の足枷にでもなれば大変である。安倍政治の継続が第一だからコロナ対策に適切敏速に対処できないのだ。

 コロナ感染被害が拡大し、生産の停滞や売り上げ減少という一時的な窮乏が襲っても少数の大企業は、デジタル化の推進などで労働者の削減と市場拡大など惨事便乗型の利潤追求を目論む。そして、「ポスト・コロナ」に向け「コーポレート・パワー」が全開できる準備を政府に求めた。この財界の願いには、今年度を大きく上回る国土強靱化による公共事業の推進や防衛費の増額などで応える菅政権である。

 こんな菅政権と財界の関係を考えると、菅政権が科学的知見を軽視し、無為無策な実際も不思議なことではない。とはいえ、「第三波」で苦闘しているのは国民である。政権延命とグローバル大企業の「ポスト・コロナ」戦略のために国民の命が粗末にされてはたまらない。
《新型コロナウイルス対策④》

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