携帯電話料金値下げの“不思議”

 携帯電話料金の値下げはありがたいことである。しかしながらこの料金値下げにはカラクリが隠されているのではなかろうか。テレビに登場する専門家も、利用者によって差が生じたり、携帯電話業界の新たな再編を心配する声などもあった。

 政府の携帯電話料金引き下げに関しては、今回で3回目であろう。2015年に当時の安倍首相が料金値下げを指示したが実現しなかった。2018年にも当時の菅官房長官は料金値下げに言及した。そして今回であるが、過去2回はどうして成功しなかったのか、なんの説明も聞かれない。そもそも2003年に、携帯電話料金設定は非規制としており、法の根拠もない政府の介入である。

 2005年当時、アイピーモバイル、BBモバイル、イーモバイルの3社が新規免許を申請したが、経営破綻や他社による買収で消えてしまった。携帯電話事業には周波数の割り当てが必要であるが、その割り当てを政府が握っている。現在の主要3社体制を打破する気が政府にあるのだろうか、このことも気になる。

 携帯電話料金の非規制はそのままで、電波の周波数の割り当ては政府が握って恣意的に操作されることにでもなれば、幾らかの料金値下げがあっても、いつのまにか高い携帯電話料金に戻ってしまうことになることが考えられる。

 IoT、AI、5Gを実現しようとする政府は、今年5月に「特定高度情報通信システム普及促進法」を成立させている。そしてNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯電話事業者を支援することにした。この3社に楽天を加えて5G投資額は1兆6624億円という。しかし、各社とも十分なキキャシュフローと5G投資の数倍の内部留保を持ち、株主配当は日本企業としては異例の高さである。儲かっている会社になぜ優遇処置を講じてまで支援するのかについても説明がない。

 菅政権の人気取りなのか、カラクリがあるのか、新たな寡占化による携帯電話業界の再編が狙いなのか。不思議な政府主導の携帯電話料金値下げの動きである。
 政府が本当に消費者のことを思い、携帯電話料金の値下げをするなら、電気通信事業法を改正して、消費者の願いに沿った料金上限規制などの料金制度を導入をして透明性のある実効ある処置をとってほしいものである。

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